ナナ色Heart
ある日の休日。

真朝さんの病室から帰る途中、

「山内!そんなんじゃ、10人組手なんかできないぞ!」

あたしはビクッとして立ち止まり、声のした方に眼をやった。

そこは、一階から三階までが空手道場、ヨガ、エアロビクス教室になっている、新しいビルで、特にこのビルのヨガ教室が凄く人気だって聞いたことがあった。

声が聞こえてきたところは一階の空手道場で、窓が開いてたから、あたしはそっと室内に視線を向けた。

「はい、すみません!」

ドキッとして、あたしは無意識に胸に手を置いた。

大きな声の主は、山内君だった。

山内君……!
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