ナナ色Heart
「有紗」

「許さない!こんな形で私から去るなんて、許さない!」

「有紗、もうやめるんだ」

そう言いながら玲哉君は、椅子から立ち上がって彼女に向き直った。

「お前、二宮になにしたんだよ」

有紗さんは真っ赤な眼をして玲哉君を睨み上げた。

「だから、あなたも共犯じゃないの!それに」

一旦言葉を切ってから有紗さんは、見開いた眼をあたしに向けた。

「あなたのせいよっ!」

カツカツとヒールを鳴らして両腕を上げ、あたしに掴みかかろうとする有紗さんを、玲哉君が止める。
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