ナナ色Heart
「私、山内先輩が好きだったから、確かめずにはいられなくて……申し訳ございませんでした」
本田さんは私に深々と頭を下げた。
それから彼女は、山内君と真央を見ながら続けた。
「ある日、母が私に言ったんです。どうやら理事長のお嬢様が、二宮先輩になにかよからぬ事をしてるって。二宮先輩は、玲哉さんの恋人のために、それを自分だけで背負い込んでるみたいだって。
私、もう黙っていられませんでした。だって、私、山内先輩が好きだけど、二宮先輩の事は、憧れていたから。
学校で、お二人が別れたという噂がのぼった時、私、この事を言わなきゃいけないと思ったんです。
何だか、その原因が理事長の娘さんのような気がして」
本田さんがそこまで言った時、真央が静かな声で言った。
「今日、昼休みに木本先生に呼ばれたって言ったのも、放課後に油絵の手直しって言ったのも、実は本田さんにこの話を打ち明けられて、それを山内君に話さないとならなかったからなんだ。
ごめんね、ナナ。
けど、私も本田さんも、隠してなんていられなかったよ。
ナナがあまりにも、可哀想で」
本田さんは私に深々と頭を下げた。
それから彼女は、山内君と真央を見ながら続けた。
「ある日、母が私に言ったんです。どうやら理事長のお嬢様が、二宮先輩になにかよからぬ事をしてるって。二宮先輩は、玲哉さんの恋人のために、それを自分だけで背負い込んでるみたいだって。
私、もう黙っていられませんでした。だって、私、山内先輩が好きだけど、二宮先輩の事は、憧れていたから。
学校で、お二人が別れたという噂がのぼった時、私、この事を言わなきゃいけないと思ったんです。
何だか、その原因が理事長の娘さんのような気がして」
本田さんがそこまで言った時、真央が静かな声で言った。
「今日、昼休みに木本先生に呼ばれたって言ったのも、放課後に油絵の手直しって言ったのも、実は本田さんにこの話を打ち明けられて、それを山内君に話さないとならなかったからなんだ。
ごめんね、ナナ。
けど、私も本田さんも、隠してなんていられなかったよ。
ナナがあまりにも、可哀想で」