ナナ色Heart
真央はポロポロと涙をこぼしてあたしに抱きついた。

「私、ナナの親友なのに、ナナが苦しんでるのに気付かなくて、ほんとにごめんね」

あたしはブンブンと首を横に振った。

「真央といれたから、あたしは、乗り越えられたんだよ、ありがと」

「二宮、ごめんな」

玲哉君があたしにそういって、優しく抱き締めてくれた。

「今まで、ありがとな」

あたしは、泣きながら頷いた。

「真朝さんと、話したかったよ。あたしのワガママだけど、玲哉君が乗り越えてくれるのを願ってる」

すると玲哉君が泣き笑いの表情であたしを見つめた。

「ああ、いつかきっと、乗り越えるよ」
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