ナナ色Heart
「ナナちゃん!長い間留守にしてごめんね!」

約1ヶ月半ぶりに、ママは沖縄から帰ってきた。

「ナナのお陰で、ママは後悔の無いようにお父さんと話せたし、最期を看取ることが出来ました。ほんとに、ありがとう」

ママはそう言うと、深々とあたしに頭を下げたの。

「やだなあ、ママ。でも、仲直りできて良かったね」

あたしがそう言うと、ママはあたしの顔をジッと見つめて、切なそうに笑ったの。

「ナナちゃん……あなた随分、大人になったのね。なんだか、綺麗になって」

そう言ってからギュッと眉を寄せると、あたしを抱き締めた。

「ごめんね、ひとりにして」

あたしはママの背中をトントンしながら笑った。
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