ナナ色Heart
「行くよ。絶対に」

あたしは、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた隼人を、頼もしい思いで見つめた。

「かっこいー」

「じゃあ、俺にしとけよ」

「え?」

「あいつじゃなくて、俺といれば?」

隼人の眼が真っ直ぐあたしを見ていて、あたしは彼のその言葉の意味を、すぐに理解できた。

隼人は柔らかな眼差しであたしを捉え、続けた。

「俺なら、幼馴染みの俺なら、絶対にナナを泣かせない。不安にさせたりしない」

隼人……。

あたしは、何と言っていいか分からずに、ただ隼人を見ていた。
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