ナナ色Heart
あたしの心は……。

そうだ。そうだよね。

簡単なことなのに、どうして一歩が踏み出せないのか。

真朝さんや玲哉君に、何となく気兼ねしている自分。

山内君に対する、有紗さんの激しい想いに怖じ気づいてる自分。

けど、あたしの気持ちはひとつで。

難しく考えるときりがない。

ああ、隼人はそんなあたしの背中を、ポンと押してくれるんだ。

「隼人……!大好き」

隼人はあたしの頭をくしゃくしゃと撫でて、弾けるように笑った。

「知ってる!
……けど、もっと、ちゃんと伝えなきゃならない奴がいるだろ?!
早く伝えなきゃ、誰かに取られるぞ?
受け身ばっかで何もアクションしないでいると、アイツが誰かのものになっちまうかも知れないぜ?」
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