ナナ色Heart
とか、

『お前みたいな、恩人をぶっ叩くような凶暴女、お断りなんだよ、ボケ!』

とか、言われちゃうんだわ。

と思って、彼の恐ろしい言葉を受け止める準備をしてたんだけど……。

……彼はなにも言わなかった。

ただ、清潔そうな口元の両端が、僅かに上がった気がした。

あれ、なんかちょっと、微笑んだ……?

それからしばらくすると、気を付けて帰れよ、と言って、彼は玄関で片手を上げた。

ドアが閉まる瞬間、

「じゃ、また明日な」

はあーーーー!

早く寝よう。

帰ったらすぐ寝よう。




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