ナナ色Heart
三年生の女子が何か言うと、山内君は身を屈めて彼女の顔を覗き込み、白い歯を見せた。

それから、彼女の耳に何か囁くと、彼女は空を仰いで弾けるように笑いながら、山内君の胸をバシッと叩いた。

は?!

なに、あれ!!

もう、胸の中が、泥々の黒い何かで埋め尽くされたみたいな不愉快さ。

嫌なんだけど、凄く。

嫌なのに、あたしは二人から視線を反らせられないでいたの。

多分、見てないと不安だったんだと思う。

すると、よほどあたしの視線に怨念がこもってたのか、フッと、山内君と楽しそうにしていた三年女子があたしを見たの。

眼が合って、三秒。ぐらい。
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