ナナ色Heart
彼女は山内君の耳元で何か言うと、今度は山内君がこっちを向いたの。

げっ!!

あたしと山内君はほんの一瞬、眼が合った。

見てたの、バレた。

その時、

「二宮、行くぞ!」

同じ班になった米村涼先輩に呼ばれた。

彼とあたしは野菜を洗って切る役目なの。

「はいっ」

あたしは、米村先輩を見上げて微笑んだ。

ダメダメ!今日は、『三出会』なんだから!

三年生の先輩と、楽しい思い出作りの日なんだから!

あたしは身をひるがえして、米村先輩の後を追った。
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