ナナ色Heart
「可愛いな、ナナちゃんは」

山内君は、あたしの頭をポンポンと優しく叩くと、自分の班へと戻って行った。

もしかして、あたしが焼きもちやいてるの、分かってるの?

余裕の笑み?

ナナちゃん、だって。

たまに山内君は、あたしをそう呼ぶよね。

そう呼ばれると、なんだかあたしを幼く思ってるのかなって、思っちゃう。

……でも、嫌じゃない。

そういえば思い出した。

『お前も……別に山内君じゃなくていいけど』

……ねえ、山内君、あたしに、蓮って呼ばれたかったの?

今からでも、呼んでいいかな。

そう、呼びたい。
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