ナナ色Heart
「蓮っ!」

あたしの声に、山内君がピタリと足を止めた。

それからゆっくりと振り向いて、眼を見開いた。

綺麗な唇は少し開いていて、驚いた顔であたしを見つめる山内君に、もう一度声をかけた。

「蓮っ」

照れたような、笑顔。

男らしく精悍な顔立ち。

彼とずっと一緒にいたい。

離れたくない。

あたしは、ありったけの笑顔で彼を見つめた。

「蓮、今日、一緒に帰ろう」

彼は、あたしを愛しそうに見つめたままで頷いた。

「ん、迎えにいく」

嬉しくてドキドキして、胸が熱かった。
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