ナナ色Heart
キャンプファイヤーが終わり、野外センターをバスで出発し、学校に着いたのは9時を過ぎた頃だった。

「各自、十分に気を付けて帰ること!自宅に着いた時点で、担任に連絡をいれること!では、解散!」

学年主任の先生の言葉が終わると、あたしは山内君……蓮を探し始めた。

「ナナ」

トンと肩を叩かれ、振り向くと彼があたしを見て笑っていた。

「帰るぞ」

「うん」

あたしの手を優しく繋いで、彼は歩き出した。

梅雨時期で、ムッとしている割りには、風があって、それほど暑くはなかったのに、あたしの頬は熱を持っていた。

彼と手を繋いだら、こんなにもドキドキする。

胸が弾んで幸せな気持ちになる。

彼とこれからも一緒にいたい。

あたしは、立ち止まった。
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