ナナ色Heart
翌日、あたしは早くに家を出た。
胸の中がフワフワと浮くような気持ちと、彼に伝えなければという、緊張感。
「なんだよ、100円でも探してんのかよ」
うつむき加減で歩いていたあたしの耳に、聴き心地のよい蓮の声が響いた。
「あ」
「おはよう、ナナちゃん」
ニッと笑う、男らしい顔。
「お、お、おはよう」
「『お』が多いわ」
「……」
「行くぞ」
蓮があたしの手を掴んで歩き出した。
「迎えに来てくれたの?」
胸の中がフワフワと浮くような気持ちと、彼に伝えなければという、緊張感。
「なんだよ、100円でも探してんのかよ」
うつむき加減で歩いていたあたしの耳に、聴き心地のよい蓮の声が響いた。
「あ」
「おはよう、ナナちゃん」
ニッと笑う、男らしい顔。
「お、お、おはよう」
「『お』が多いわ」
「……」
「行くぞ」
蓮があたしの手を掴んで歩き出した。
「迎えに来てくれたの?」