ナナ色Heart
「へ?そりゃ……山内君のカバンを、あたしが学校まで持とうと思って」

「アホか、お前は」

そう言うや否や、彼はあたしのカバンごと奪い取って自分の肩にかけた。

「ダメだよ、背中があんなに腫れてるのに」

「うるせー、女に荷物なんか持たせられっか」

は?

「じゃあ、なんであたし、山内君を迎えに来ないといけなかったの?」

山内君の顔を振り仰いでジッと見つめると、彼はプイッと横を向いた。

「それは」

その時、

「ナナ!!」

反射的に声のした方を見ると、道路の反対側に幼馴染みの隼人が、立っていた。
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