ナナ色Heart
だから俺はいつも彼女を抱き締めて囁くように言うんだ。

「いい加減、馴れろ」

「だって、恥ずかしいもん」

……付き合って一年が過ぎようとした今でも、ナナは俺の行動に頬を染める。

可愛い。

可愛いけど、俺は……。

ああ、もう!!

ナナは至ってマイペース。

俺ばっか、モヤモヤしてんじゃねーか!

最近、そんな俺の前に新たな敵が現れた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


事の起こりは三日前。

「おい、蓮!お前の嫁さん、二年のサッカー部員に呼び出されたみたいだぜ」

「あ?」
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