ナナ色Heart
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二泊三日を俺の家で過ごしたが、ナナは俺に、サッカー部員に告白された事を言わなかった。

だから、俺も聞かなかった。

ナナは別の事でブツブツ怒りながら帰っていった。

なんだよ、俺のせいじゃなくてむしろそれは、ナナが……。

……まあその件は後日、埋め合わせをするつもりでいる。

そんなことより、来週は『三年生と思い出を作る会』、通称『三出会』だ。

俺達は今年で卒業だし、俺もナナも参加する事にした。

その時ふと、サッカー部員を思い返した。

俺に向けた、挑戦の眼差し。

面倒が起こる予感が、俺の胸を駆け抜けた。
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