ナナ色Heart
面倒事一発目は、週明け早々の月曜の朝にやってきた。
「山内先輩」
聞き慣れない声に呼ばれ、俺は正面玄関に入ろうとしていた足を止めた。
振り向くと、アイツがいた。
朝練を終えたばかりらしく、額には汗が光り、首にはスポーツタオルをかけていた。
ナナに告白した、あの二年生サッカー部員だ。
「なに」
「俺、篠田來気といいます」
しのだ、らいき。
俺はゆっくりと篠田來気に向き直ると、唇を真一文字に結び、ヤツが次の言葉を発するのを待った。
そんな俺を見て、篠田は一瞬息を飲んだが、すぐに気を取り直して口を開いた。
「山内先輩」
聞き慣れない声に呼ばれ、俺は正面玄関に入ろうとしていた足を止めた。
振り向くと、アイツがいた。
朝練を終えたばかりらしく、額には汗が光り、首にはスポーツタオルをかけていた。
ナナに告白した、あの二年生サッカー部員だ。
「なに」
「俺、篠田來気といいます」
しのだ、らいき。
俺はゆっくりと篠田來気に向き直ると、唇を真一文字に結び、ヤツが次の言葉を発するのを待った。
そんな俺を見て、篠田は一瞬息を飲んだが、すぐに気を取り直して口を開いた。