ナナ色Heart
あれ……ナナだ。

その隣に並んで立ってるのは……篠田來気。

俺は一気に胸がムカムカして、駆け出したい衝動に駆られた。

ナナと篠田來気は、大きなレジ袋の持ち手を半々にして持ち、仲良く話をしながらこっちに向かって歩いてくる。

俺はジーンズのポケットに片手を突っ込み、ジッと二人を見つめた。

「蓮っ!!」

横断歩道を渡りきる前に、ナナが俺に気づき、空いている方の手を大きく振った。

「果奈に頼まれてね、足らずの飲料水を買い出しに行ってたんだ!今から空手だね!頑張ってね」

俺を見上げてニコニコ笑うナナに対し、篠田來気は憮然とした顔で俺を一瞥するとペコリと頭を下げた。

「……蓮?」
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