ナナ色Heart
唇を引き結んだままの俺を見て、ナナが心配そうに声をかける。

「蓮、空手終わったらLINEちょうだい」

俺は低い声で短く言った。

「ああ」

「ナナ先輩、そろそろ行こう」

「……うん」

ナナは俺の事を気にしていたみたいだが、篠田に促されて、

「じゃあね、蓮」

一言そういうと、学校の方向へと歩き出した。

俺は正直、面白くなかったが、グッと我慢した。

ナナと付き合い出した当初、俺はかなりの焼きもちやきで、ナナにちょっかいを出す奴らが我慢ならなかった。
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