ナナ色Heart
僅かな余裕を見せる事も出来ない、がっついたガキだった。

そんなある日、俺はナナに言われたんだ。

『蓮、あたし、蓮が思うよりしっかりしてるよ?それに……蓮が思ってる以上に、蓮が大好きだから』

……俺は、ナナの言いたいことが何となく理解できたと同時に、恥ずかしかった。

だから、俺は……。

大きく息を吐き出すと、俺は空手着を担ぎ直し、道場へと足を早めた。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

数日後、いよいよ『三年生と思い出を作る会』、通称『三出会』の日がやってきた。

今年は遊園地。

付き合い出してすぐナナと一緒に行った、あの遊園地だ。

何となく、俺が篠田來気との買い出しを目撃してから、ナナは元気がない。
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