ナナ色Heart
俺もあえてその件には触れなかった。

遊園地に着いた途端、例年同様、

『班分けしまーす!クラス別にわかれてクジを引いてくださーい』

実行委員の声が響き、俺はナナに少し笑った。

「じゃあナナ、後でな」

「うん……」

ナナはぎこちなく頷いた。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

俺は、冨永真央と進藤亮二とも同じ、A班になった。

「山内君……ナナはD班だよ」

いち早くナナとクジの結果を見せ合った冨永は、俺にそう言うと眉を寄せた。

「なんだよ」
< 330 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop