ナナ色Heart
「男だって、連れ込めるし」

「男、いないし」

すると真央は、あたしの顔を覗き込んでニヤリと笑った。

「例の彼に告っちゃいな!」

あたしは、食べかけのおにぎりをギュッと掴んだ。

「む、無理っ」

「なんで?」

「なんでって、振られたらどーすんの、家の近所のマンションだし、気まずいし、立ち直れないじゃん」

すると真央は、あたしの顔をシゲシゲと眺めて眉を寄せた。

「ナナは、分かってないねー!自分がイケてるって事!」

「……」
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