ナナ色Heart
「小顔で鼻筋は通ってるし、大きな眼だし!スタイルだっていいしさ」

「ほめても何もでないけど?」

すると真央は、フッと笑った。

「まあ、私のが、美人だけど」

「はいはい」

「もう私達、高二だよ?!恋の一つや二つしなきゃダメでしょ」

「恋かあー……」

あたしは、教室の天井を仰いで、憧れの彼の顔を思い浮かべた。

あたしの憧れの彼……山内蓮。

入学当時は全然彼の存在に気づかなかったんだけど、ある日、同じ学校のカバンを持った彼が、向かいのマンションから出てくるのを見た。

あたしは、え、え、ええーって、心の中で叫んだ。
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