ナナ色Heart
……じゃあ、買い出しにはひとりで行くか。

あたしは財布を持って玄関へ向かい、靴を履こうとした。

すると奥でバタン!と音がしたかと思うと、次にドカドカと足音が響いた。

な、なにっ?!

すると奥の暗がりから突如として山内君が現れて、あたしは少し驚いて彼を見上げた。

「部屋にいたんだね。寝てた?いいよ、あたし、買い出しに、行」

そこまでしか、言えなかった。

靴を履こうとしていたあたしの腕を強引に引き寄せ、山内君があたしをギューッと自分の胸に抱き締めたから。

靴があたしの手から吹っ飛んで床の上へと転がる。

……はっ……?!

な、なんで……こう、なる……のですかっ?
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