ナナ色Heart
逞しい体をあたしに密着させて、彼はあたしの首筋に顔を埋めた。

首筋に山内君のあたたかい息がかかって、くすぐったいやらドキドキするやら……!

心臓が爆発しそうなんですがっ!!

寝ぼけてる?!もしかして、寝ぼけてる?!

あたしは焦ってもがいた。

「あっ、や、山内君……?」

「……可愛い声、出すんじゃねー」

かすれた甘い声が耳元で響き、あたしはドキドキがもうマックスで、自力で立ってるのか、彼にもたれ掛かってしまっているのか、何がなんだか分からなくなりそうだった。

「ナナ……」

「な、なに……」

「だから、可愛い声、出すなって……」

あ、あの、山内君?

すると彼はようやく顔を起こして、あたしを見つめた。
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