ナナ色Heart
フワリと浮くような変な気持ち。

ダメだ、嬉しい。

こんな風にされたら、嬉しい。

嬉しいのに……山内君には、好きな人がいて。

あたしに、こーゆー事をするのは、あたしが今、彼の家の家事をしているからで……。

元はと言えば、あたしのせいだけど、あたしが今、近くにいるから、優しくしてくれてるだけで……。

期待はしちゃいけない。

ときめいてもダメだ。

だって、彼の怪我が治るまでの関係だもの。

彼の傷が癒えたら、私は彼の家事をすることもなくなって、もう家に行くこともない。

こうして一緒に手を繋ぐ事も、買い物に行くこともない。

一緒にご飯を食べることも、ない。

その時が来たら、あたしはどうするんだろう。

分かんない。

方法をみつけないと。

トキメキを止める方法を。

じゃないとあたし、耐えられない。
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