ナナ色Heart
おずおずとあたしが近寄ると、山内君はいきなりあたしの首に腕を回した。

うわっ!!

それからあたしの顔に自分の顔を目一杯寄せると、片方の腕でスマホをかざした。

「可愛く笑え」

思わず条件反射で笑顔を作る。

何枚か写真を撮ると、山内君は真剣な面持ちで画面に見入り、暫くしてからあたしにスマホを返した。

「わっ!」

数枚の壁紙が、全部さっき撮った、あたしと山内君のツーショット画像に変わってるっ!!

あたしは山内君を静かに見上げた。

「変えるの禁止な!」

ちょっと眉を寄せて、山内君はピザをガブッと食べた。
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