ナナ色Heart
複数あるカメラが、あたしと舞台上の彼を撮影し、それが目まぐるしく変わりながらスクリーンに映し出されて、まるで映画の中のシーンみたいだった。

躍り終えた舞台上の彼も、会場にいくつか設置してあるスクリーンの中の、あたしを見ていた。

あ……!!!

あたしは、心臓が止まりそうになった。

荒い息をしながら、キャップを脱いだ彼に、見覚えがあったから。

彼も一瞬、凍りついたように目を見開いた。

あたし達はお互い見覚えのある相手との再会に、息を飲んで立ち尽くしたのだった。

嘘でしょ……!?

一瞬の出来事だったけれど、あたしには、この時間がスローモーション化したように感じた。

それと同時に、心臓に氷を押し当てられたような冷たさに似た衝撃が走った。

だって……だってね、あの彼……。

あの日、あたしと山内君を襲った、あの金髪の彼だったんだもの……。
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