ナナ色Heart
隼人と家の前で別れて部屋に上がると、あたしは途端に、あの金髪の彼の事を考え始めていた。

だってね、本当に、凄く素敵だったんだ。

……彼は、あの時本気であたしをどーにかしようとしていたんだろうか。

本当に、悪い人なんだろうか。

凄く怖い思いをしたし、山内君が助けてくれなかったらどうなってたか分からないけれど、何だか……。

いや、分かんない。

ただ、ダンスが上手いだけで、本当は悪い人じゃない!なんて純粋すぎることを言う気はないけど、でも。

ベッドに寝転んでそんなことを考えているうちに、あたしはいつしか眠ってしまっていた。

……数時間後。

あたしは肌寒さで目が覚めた。
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