絶望の闇と希望の光
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準備も整い必要なものをまとめ、外へと出る。
「本当に行っちゃうのね」
悲しさ混じりの声で話しかける叔母さんに俺は自然に微笑む。
「はい。行かないと、そろそろ時間です」
確かに別れというのは寂しいものだ。
だが、会えないわけではない。
またいずれ会うこともある筈だ。
その時までは一時の別れ。そんな程度だ。
「そうね。じゃあ隆文くん。
しっかり頑張りなさい!」
「はい。行って参ります」
―――己の試練、そして目的の為に―――
俺は――――旅立つ。
と、言っても。まだ部屋の中だが。
じゃあどうやって鍛練所に行くか。
そんなの決まっている。
―――魔法陣を出して行くのだ。
俺は魔法陣を出すための気を手に集中させる。
ワープの1種である魔法を使うために。
指先が少し熱くなる。その指先から緑の光が発生する。
それを見届けて、指で曲線を描いて魔法陣を出して唱える。
「命す(くだす)!
我は孤高なる仁義なり!
我を目的の地へと導かんことを!
"異世界移動"(ワールド・ワープ)!」
そう唱えると緑色の六芒星(ろくぼうせい)の魔法陣が部屋中に光輝き俺自身の回りに柱を作り出す。
お別れ直前。俺は振り返らなかった。
それでも俺には分かった。
叔母さんが―――
泣いていたことを。
準備も整い必要なものをまとめ、外へと出る。
「本当に行っちゃうのね」
悲しさ混じりの声で話しかける叔母さんに俺は自然に微笑む。
「はい。行かないと、そろそろ時間です」
確かに別れというのは寂しいものだ。
だが、会えないわけではない。
またいずれ会うこともある筈だ。
その時までは一時の別れ。そんな程度だ。
「そうね。じゃあ隆文くん。
しっかり頑張りなさい!」
「はい。行って参ります」
―――己の試練、そして目的の為に―――
俺は――――旅立つ。
と、言っても。まだ部屋の中だが。
じゃあどうやって鍛練所に行くか。
そんなの決まっている。
―――魔法陣を出して行くのだ。
俺は魔法陣を出すための気を手に集中させる。
ワープの1種である魔法を使うために。
指先が少し熱くなる。その指先から緑の光が発生する。
それを見届けて、指で曲線を描いて魔法陣を出して唱える。
「命す(くだす)!
我は孤高なる仁義なり!
我を目的の地へと導かんことを!
"異世界移動"(ワールド・ワープ)!」
そう唱えると緑色の六芒星(ろくぼうせい)の魔法陣が部屋中に光輝き俺自身の回りに柱を作り出す。
お別れ直前。俺は振り返らなかった。
それでも俺には分かった。
叔母さんが―――
泣いていたことを。