X.x…real
ツルっと,
案の定俺の足元は簡単に持っていかれた。
両手を広げて,風の中へ飛び込む。
耳をつんざくような風の音。
全てを表面に持っていかれるような,重力。
鳥になってしまえ
風が俺にそう言っている気がした。
0,1秒前まで俺の首が在ったところを,機械の腕と言った所か。
無数のチューブを絡ませたような太い紐が伸びてきて,空を掴む。
鳥になるなんて無理だ。
風が
重力が
俺という人間を容赦なく叩きつけて,落とす。
落とす
落とす
遥か下に