オフィスの華には毒がある
いやアナタいつもわたしのことバカにしてるじゃん……と思いつつ。

身体の力が抜けていくのがわかる。


「最近は止めちゃってるけど、先輩のデスク回りのとかもすごいかわいくて」


「そーそー、すごくかわいかったぁ。あたし、真似して苔玉買ったもん」

回りの子達も同調している。


……そっか。

茶渋姉さん、じゃなくて、チャイブ姉さんか。


は、ふ……と安堵のため息がもれる。


「あ、時間」


気がつくともう昼休みが終わるところで。
『そんなわけで』と戻りつつある環に、ありがとう、と言ってからボルドーのブラパンセットを包み直してしまいこむ。


ド派手な下着を、彼氏もいない先輩にくれちゃう辺りのセレクトが、逆に気を使われていない感じがして嬉しかったりして。
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