オフィスの華には毒がある
絶対また騙されているのに、賭けられているかもしれないのに、何故だか……

1日くらいならいいかなと思ってしまった。


キスしたってリアクションの1つもない主任なんかと違って、斉木くんと過ごすのは確かに楽しそう。

……って。
自分の異性関係の乏しさに泣きたくなる。

他に比較対象がないからって、思い出すのがあの主任のみって、どうよ。

いくら、いい感じバージョンの方だったとは言え、中身は主任。言動も主任。

無駄にセンスのいい、ただの主任。


「どうですか?」

……いけないいけない。また意識が飛んでいた。

「じゃあ、1日だけなら……」


「やった!」


ぎゅ、と両手を握られる。


「じゃあ、明日、どうですか」


あ……明日?!




< 172 / 312 >

この作品をシェア

pagetop