オフィスの華には毒がある
て言うか……フェロモンさんと主任、付き合ってたの??
だって、相談に乗ってただけだ、って……いやまてよ、『だけ』とか明言していたっけ?
別に、この、フェロモンさんのことを、好きとも嫌いとも言っていない気がする。


「いや。わたしは別に斉木くんと付き合っていないよ。本人に確認してもらっていいよ」


「お互いデートで鉢合わせしたの、つい先週じゃない、忘れたの?」


いつの間にやら完全にわたしに対してタメグチ全開のフェロモンさん。


あーあ、わたし、一体何をしているんだろう、こんなところで。


「そっちはどうだか知らないけど、わたしと斉木くんのはデートじゃないよ、付き合っていないもん」


わたしの言葉を受けて、鼻で笑うフェロモンさん。


「ああ、そう。今だって、直哉さんに呼ばれたくらいでのこのこ出てきちゃって……」


いや、呼ばれたくらいって……呼ばれたら来るでしょ、フツー。
< 260 / 312 >

この作品をシェア

pagetop