オフィスの華には毒がある
「いや、年齢を偽ってまで、ブログをやっていたのは、自分の趣味を思いっきり満喫したかったからで。そんな中で、とても話の合う『たまこさん』とのやりとりは、凄く楽しかったから……」


あれ?わたし、なに言っているんだろう。

主任が、こっちをじっと見ているのが分かる。


「俺も、すごく楽しかった。で、エナさんが遠藤さんだ、って分かったとき、ヤバい!って思うと同時に嬉しかった」


へ……?


「だって、すごくない?話があうなー、趣味が合うなー、会ってみたいなーって子がリアルで好きな人だった、って、あり得なくない?」


リアルで……好きな人?
誰が?誰を?なんで?え??


「あ」


パニクるわたしの隣で、小さく叫んだ主任が肩をすくめる。
< 299 / 312 >

この作品をシェア

pagetop