オフィスの華には毒がある
「……俺今うっかり告白しなかった?」


「告白……て言うか、まあ、なんか」


わたしも、よく意味が飲み込めなくて、主任を見上げる。


ふーーーー、と息を吐きながら、みるみる肩を落とす主任。


「俺さ、遠藤さんのことが好きなんだよね」


?!


固まるわたしをよそに、なぜかしょんぼりしながら話を進める主任。


「最初は、おー、かわいいマグカップ!とか、あ、あのボールペンすげーかわいい!なんだあれ!!とか、遠藤さんの身の回りグッズに惹かれてさー」


確かに、2年前までは職場に好きなテイストを持ち込んでいたっけ。


「それから段々、仕事をきっちりやるところとか、後輩とか上の人にも気を使うとことか見てすげーなーとか思って」


……いやそれは立場的に仕方なくなんだけど。だってもう新人じゃないし。
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