オフィスの華には毒がある
「……いや、ごめん、本当は笑った顔がかわいいなー、が一番最初。何年も前に。うわぁ、ほらもう、変態っぽいだろ?なんか」


「……いや、別に……」


ていうか、なんか、すごいドキドキするんだけど。
何でこんなことになっているんだろう。
主任がゆっくりと話しているこの内容は、本当のこと?


「だから余計に後ろめたくてさ、会社の好きな子のブログ探し当てるとか本気で犯罪者クラスじゃん、そんなやつに好きになる資格ないでしょ……あーあ、なんとか告白せずにどうにかごまかそうと思ったのに」


「ごまかして、どうするんですか?」


「とりあえず俺の気持ち悪さは明るみに出ないかなーなんて」


隣で、しれっと何を言っているんだこの人は。


「……わたしは、主任が好きで。主任は、わたしのことを……好きと言ってくれて、これって、世間一般で言うところの″両想い″ってやつじゃないんですかね?」


まるで、お説教のようなトーンになってしまう。


「……うん」


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