オフィスの華には毒がある
お互いに、好きだと発覚して。
そうして、じゃあ付き合いましょうということになり。


今一番の悩みは……
「主任、ブラックでいいですか?うち、クリープ的なもの、ないんですけ……あ」


自分で声を張り上げておきながら、″主任に聞こえていませんように″と一縷の望みをかけてそーっと主任のいるであろう辺りを覗いてみる。


「いや、『聞こえちゃったかな?』じゃねーよ、どんだけ豪邸に住んでんだ、ってレベルに大声張り上げておいて」


「はい?」


くそー。やっぱり、聞こえていたか。


「しっかり聞こえましたー、そんなわけで今日トータル8主任、だから」


さも楽しそうに主任が言う。


そう、付き合うとなってから、『主任』『遠藤さん』ってどうなのよ、という話になり、呼び方を変えることを試み中という中学生のようなわたし達。



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