オフィスの華には毒がある
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「欲求不満なババアの出し惜しみほどムカつくもんはないわー」
不意に聞こえてきた台詞に思わず足を止め、身を潜めるように壁際に寄る。
「負け惜しみかよー、結局失敗してんだろ?」
複数の男の人の笑い声。
その中に、て言うか最初の台詞を放った声に滅茶苦茶聞き覚えがあるんだけど。
……斉木くん、だよね?
……わたし、喫茶スペースにコーヒーを買いに来ただけなんですけど。
ちら、と角から覗くと、喫茶スペースの隣の簡易的に囲われた喫煙所からは、煙だけでなく声も駄々漏れなわけで。
どうにも動けなくなってしまい、曲がり角で立ち尽くすわたし。
引き返せばいいのに、それもできない。
このまま聞いていても、絶対に傷つくだけ。わかっているのに……。
ハハハハハ、とまた大きな笑い声が聞こえる。
「でも意外とヤル気満々だよなー、遠藤さん。あんなピチピチメンバーの中によく入ろうと思ったよな」
「だから怖じ気づいて参加を止めて残業とかしちゃったんじゃねーの」
……よくわからないけど、この声は斉木くんの同期だとか、よくつるんでる人達の、もの。
「欲求不満なババアの出し惜しみほどムカつくもんはないわー」
不意に聞こえてきた台詞に思わず足を止め、身を潜めるように壁際に寄る。
「負け惜しみかよー、結局失敗してんだろ?」
複数の男の人の笑い声。
その中に、て言うか最初の台詞を放った声に滅茶苦茶聞き覚えがあるんだけど。
……斉木くん、だよね?
……わたし、喫茶スペースにコーヒーを買いに来ただけなんですけど。
ちら、と角から覗くと、喫茶スペースの隣の簡易的に囲われた喫煙所からは、煙だけでなく声も駄々漏れなわけで。
どうにも動けなくなってしまい、曲がり角で立ち尽くすわたし。
引き返せばいいのに、それもできない。
このまま聞いていても、絶対に傷つくだけ。わかっているのに……。
ハハハハハ、とまた大きな笑い声が聞こえる。
「でも意外とヤル気満々だよなー、遠藤さん。あんなピチピチメンバーの中によく入ろうと思ったよな」
「だから怖じ気づいて参加を止めて残業とかしちゃったんじゃねーの」
……よくわからないけど、この声は斉木くんの同期だとか、よくつるんでる人達の、もの。