オフィスの華には毒がある
なんで、主任はあんな格好をしていたんだろう。


ていうか、じゃあ逆に何故にいつも変な格好しているんだろう。

……いや、どうでもいいんだけど。なんでもいいんだけど。



ぶるぶるぶる、と頭を振る。
ベリー系の、甘いシャンプーの匂いが鼻について、あぁこのシャンプーは失敗だったかも、と全然別のことを考えることで、どうにか気持ちを立て直す。


斉木くんにされたことは最悪だったのに、主任の別バージョンの方がインパクトがあるとか、どういうこと……。


なーんて。


本当は、考えたくない。

あの日以来、斉木くんも避けているのか全然見かけないので、なんとかなっているけど……。


次会ったとき、どんな顔をすればいいのかわからない。


自分が、どんなふうになってしまうのかもわからない。

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