藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
「藤く〜ん!」



「あっ、美波ちゃん!」



おっと…また藤くんしか見えていなかったが、横に佐伯さんがいたのか…


それにしても佐伯さん、同じジャージなのになんか私のと違う!
体操着も腕まくりとかしてノースリーブみたいにしてなんか可愛いし、なんだこの着こなし様は!



「今度は何?」


藤くんが冷たい目をして言った。



「あっ、いや、藤くん種目リレーだったよね。頑張ってね」



「まぁテキトーに走るわ」


「美波ちゃん、借り物競争だったよね!」


佐伯さんに話を割って入られてしまった。


「そ、そうだよ」


「お前こそせいぜい頑張れよ」


と言って半笑いでちょっとバカにした表情をする藤くん。


「美波ちゃん、がんばってね!私も玉入れ頑張る!」


そう言って両手でグーを作り腕を曲げ、どこかの女子アナがしそうな可愛いポーズをする佐伯さん。


佐伯さん玉入れなのか…私もそれが良かったんだけど。



なんか全てにおいて負けた気分だ。
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