藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
「そうだ!あとリレーの一位おめでとう」


「…影山も一緒だけどな」


「結構本気で走ってたね!始まる前はやる気ないとか言ってたくせに」


「…………お前のせいだからな」


へっ?


「私のせいって何それ?」


「…しらね」



そう言うと、藤くんは私に背を向けて、教室に戻ろうとした。



私のせいってなんじゃそりゃ。



私は手に持っているカメラを見つめた。



結局一緒に写真も撮ること出来なかったし、また進展なし……か。



でも来年こそは、ハチマキ姿の藤くんをカメラに収めてやる。



そう誓った高校2年、体育祭の日だった。




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