藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】



***



「藤くん、ありがとう」


「…言っとくけど、すぐそこのコンビニまでだからな」


「うぅ、分かってますよ〜」



なんとか藤くんの傘の中に入り込むことができた私。


学校近くのコンビニに私のことを置き去りにする予定みたいだけど。


傘を買えばいいのだか、影山修二にこの前まで焼きそばパンを貢いでいたため、ビンボー人の私。


それでも、傘をなくしてまさかの相合傘に成功。


ピンチをチャンスの変える女、川嶋美波なのだ。


それにしても傘一つの中に二人って思った以上の密着度だ。


藤くん、なんかいい匂いするし……


甘い匂いに誘われた私はカブトムシ……
って変態か!私!



「今日さ」


「えええっ?なに?」


藤くんにいきなり話しかけられ、動揺が隠せない私。


「影山と何話してたの?」


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