藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
私はそのモニターを確認すると同時にすぐに玄関のドアへと足を急がせた。


そして、恐る恐るドアを開けた。



「よ、病人」


「ふ、藤くん…」



私は咄嗟にドアを開けてしまったが、今日は人に会うことはないだろうと思い、髪はボサボサだったことを思い出した。

そして、服装もおしゃれでもなんでもないパーカーとスエット…ザ・部屋着。

とりあえず少しでも頭のボサボサ加減が隠れるようにパーカーのフードを被った。



「……どうしてうちに?」


「ああ、酒井先生から頼まれた」



そう言って渡してきた一枚のプリント。


……なんてことない保護者案内。


これ明日でもよさそうだけどな。
なぜ今日わざわざ渡さないといけなかったのだろか。担任め。



「風邪はどうなの?って結構元気そうにみえるけど。マジで仮病?」


「きっ昨日までは本当に高熱にうなされてたの!あっ急に目眩が…藤くん助けて」



そう言いながら女優ばりの目眩がする演技を見せる私。



「………ずいぶん元気そうだから、これはやらなくてもよさそうだな」



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