藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
「へっ?」



藤くんはフッと口角をあげ、笑った。



「じゃあ、俺帰るわ」



藤くんは踵を返し帰って行こうとした。

……って数秒前の胸のトキメキ返してくれ。


まぁ、それでも。



「藤くん。ありがとう」



私は藤くんの背中に向けて声を発した。


藤くんは私の方に振り返ることはなく、右手をヒラヒラさせそのまま歩みを進めて行った。


私はその姿が見えなくなるまでずっと見つめていた。

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