藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
プリントを取ろうとしたが、手が空を切った。


私はそのプリントの動く方向へ目を動かし、見上げた。


するとそこには



「藤くん!!」



本当にイケメンがいた。



「…またドジしてんの?」



呆れた顔をした藤くんは私に最後のプリントを一枚渡してきた。



「あ、ありがとう」



じゃあと言って立ち去ろうとする藤くん。



「ま、待って!!」



私は咄嗟に呼び止めていた。



「何?」


「あっえーっと……」



手伝って!と言いたいところだけど、また図々しいと思われるかと思うと咄嗟に口を噤んでしまった。


その間を埋めるかのごとく、はぁと深いため息が目の前から聞こえてきた。


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