藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
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「なんだこのドア、全然開かねぇんだけど」
私たちは社会科準備室の前にいた。
教室とは違い、社会科準備室は古い棟にあり、建物自体も古い。
おまけに整備もされていないので、ドアもかなり開きにくくなっていた。
「鍵は?」
「いや、鍵は開いてるからって…バイ酒井ティーチャー」
藤くんは舌打ちしながら力を込めてドアを押し開ける。
するとようやくドアは開かれた。