藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】



***



「なんだこのドア、全然開かねぇんだけど」



私たちは社会科準備室の前にいた。


教室とは違い、社会科準備室は古い棟にあり、建物自体も古い。


おまけに整備もされていないので、ドアもかなり開きにくくなっていた。


「鍵は?」


「いや、鍵は開いてるからって…バイ酒井ティーチャー」


藤くんは舌打ちしながら力を込めてドアを押し開ける。


するとようやくドアは開かれた。


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