藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
「………開かねぇんだけど」


「えっ?」



私の目の前にいる藤くんはそう言いながら、ドアノブをガチャガチャと押したり引いたりしていた。


その金属音が虚しく部屋全体に鳴り響く。


「うそ!ちょっと待って」



私も藤くんに変わり、ドアノブをガチャガチャと回してみる。


しかし、再び金属と金属が擦れ合う独特の音が鳴り響くのみだった。



う、嘘でしょ………


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