藤くんが今日も冷たい件について(仮)【完】
「いいじゃん!ね?じゃあ、私からいくね!しりとり〜からのりんご!」


最大限に明るく声をかけるも藤くんの心には何も響いていないようで、本を読むことに集中してしまっている。



「ねぇ、藤くん!」


「………」


「ねぇねぇ、藤く〜ん!」


「っうるせぇな!」



藤くんがまたしても食い気味に言葉を発しながら、私を睨みつけてきた。

ひぃぃー!!!

私は藤くんを怒らせる天才なのかもしれない。



「……りんごの『ご』からだよ〜。はい、次は〜?」


私はリポーターのごとくエアーマイクを手に持ち藤くんへ向けた。


そんな私を一目も見ることもなく、藤くんは答えた。


「……ごはん」



って、しりとり終わりじゃん、それ!!


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